コメフェス6ステ目を終えてその脚で来た夜勤中です。
眠いです。早くOhutooonで寝たいです。
コメフェス。
連日たくさんの笑い声を頂いていて、とても嬉しい限りです。
前回の記事でも書きましたが、これは去年の雪辱戦であると同時にシチュエーションコメディへ引導を渡してやる戦いでもあるのです。
いつだかのアサコシのブログにも書いてあったけど、我々とシチュエーションコメディとの戦い、それは古の昔から続く壮絶な戦いなのである…!
アガリスクは有名シチュエーションコメディ
三谷幸喜『BAD NEWS☆GOOD TIMING』『君となら』
レイ・クーニー『ラン・フォー・ユア・ワイフ』『コウト・イン・ザ・ネット』
等に影響を受けながらオリジナルのシチュエーションコメディを作り続けて、その中で生まれた「これ、おかしくねぇか?」を色々な形でアウトプットしてきました。
第10回公演『死チュエーションコメディ』
で芽吹いた既存のシチュエーションコメディへの疑問や批評的目線は
アガリスクコント『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)』
で一旦昇華され、さらにその先の『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』
へと究極進化を遂げたのです!
(参考)
『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)』
『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』は
世界中で僕らしか気にしてないであろう問題に、観客のみなさんに"笑ってもらう"ことによって同じ目線を獲得して頂こうという。実のところそれはそれは超ニッチでめたくそメッセージを込めた作品であるのです。でも大丈夫、笑って楽しんでスッキリして帰って頂ければ、もう目的は達成です。こんなことに頭を悩ませているのは自分らだけで充分なので(笑)
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雑記
度々このブログで書いてますが、感想なんてものは人それぞれで最初にお客様が感じたことが一番大事なので、あんまり中の作り手があーだこーだと言うのは野暮でもあるし、せっかく感じて頂いたことが台無しになってしまうという危険性もあるので控えているのですが、今作について少しだけ自分なりの解釈を添えたいと思います。
観終わったあとに「あ、そういう見方も出来るのね」という程度に目を通して頂ければ。
なんなら自分は作家ではない一役者なので。
シチュエーションコメディの主人公は大抵何かに困っています。
浮気を隠していたり、死体を隠していたり、大金を隠していたり、嘘をついたり誤魔化したり。
そこで前述の「エクストリーム〜」は既存のシチュエーションコメディを"二人で成立させなければいけない"という状況に困っています。
「アンハッピーバースデー」という作品の主人公ヘンリーが困っている、その外側でアサコシ・塩原という二人組の役者がなんとか"二人で成立させる"ということに困っているメタ構造です。
そして今作。
同じようにシチュエーションコメディを成立さなきゃいけないというシチュエーションコメディで、一見似たようなメタ構造の演劇のようですが、矢吹ジャンプ(ファルスシアター)という楔が打たれているのが決定的な違いだと思います。
矢吹ジャンプはファルスシアター所属の俳優。ファルスシアターは海外戯曲、特にシチュエーションコメディを上映する団体、そこのエース矢吹ジャンプは言わばシチュエーションコメディの純粋な結晶体とも言えるでしょう。
大仰な芝居、矛盾の多い設定、海外コメディを模した「ワイフ・ゴーズ・オン」の主役を彼が演じるのは最もだと言えます。
さてもう一つのレイヤー「七人の語らい」
こちらは全く毛色の違う会話劇。
アガリスク過去作で言えば「ナイゲン」「紅白旗合戦」のようなどちらかと言えばドラマややり取りで笑いを取るタイプのコメディです。
ではこちらの主役は誰なのかと言えばやはり矢吹ジャンプなのです。
他の登場人物があーだこーだというツッコミをしてくるのに対し、デイヴィットがこの世界を守る住人として右往左往しています。
一見全く違う構造で笑いを取る二つの作品に見えますが、矢吹ジャンプというどちらの階層にも共存できるコメディアン(エヴォリューダー)がいることによってこの作品は成立しているんじゃないかと自分は思います。
なんだかんだと突っ込みを入れたところで、元々そうな人がいるんじゃあどうにもなりません。
この作品は2015年現在のアガリスク自身を現しているのと同時に、シチュエーションコメディというジャンル(一部ではオワコンなんて言われている)の未来を照らす作品であればいいなと思ったりもしています。